今日からfamily!?


――――放課後、あたしは言われた通り体育倉庫前に来た。



「あんた、何で呼び出されたか分かってんでしょうね」

「……」


あたしは倉庫の扉を背中に何十人居るのってくらいの数の女の子たちと対峙している。


どうやら海里くんファンだけじゃないっぽい。


そりゃそうか。

飛鷹家に住むという事はあの兄弟のファンみんなを敵に回すという事。

あ、理事長ファンの子もいるかも。


敵は多い。



「聞いてんの!?」


目の前の女の子の罵声が飛ぶ。


体育倉庫は体育館の影にあって、校舎と離れた位置にある。

めったに人は通らない。

大きな声を出したって誰にも聞こえない。

つまり、助けはこない。



「……聞いてます」

「あんた、あの家出て行きなさいよ」

「え?」

「飛鷹家出ろって言ってんの!」

「そうよ!あんた迷惑かけてんのが分かんないの!?」

「……」

「出ーろ!出ーろ!出ーろ!」


何十人もの“出ろ”コールが始まった。


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