今日からfamily!?


大河さんは女の子たちを片手で退かしながらあたしの目の前まで怖い顔で近付いて来ると、あたしに背中を向けて立った。


女の子たちの後ろにいた時は気がつかなかったけど、大河さんは手にバレーボールを持っていた。


大河さんってバレー部の顧問だっけ?

倉庫に用事があったからここに来たのかな。



大河さんの背中は広い。

そんな後ろ姿にあたしは安堵した。

――――助かった。



「二度とこんな真似するな」


大河さんはいつもより低い声で、女の子たちに諭すように言った。

でも大河さんの背中のせいで、あたしからは女の子たちがどういう反応を示してるのかはわからない。


「………行こう」


そう言ったのは多分あたしを打とうとしてた女の子。

その言葉を合図に歩き出す音が聞こえて、女の子たちはみんな倉庫前からいなくなった。


残ったのは未だあたしに背を向けている大河さんとあたしだけ。



「……あの、大河さん―――」

「潤ちゃん」



あたしは大河さんにお礼を言おうと声をかけたら、大河さんの低い声に遮られた。


「はい?」

「頭が悪いんじゃない?」




……………はい?


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