今日からfamily!?
厨房を出た所で陽くんが振り向いた。
「大丈夫だった?」
「へ?」
「駿河さん」
「あー、大丈夫」
…じゃないけど。
親分には関わらないでおこうって決めたけど。
「俺も未だにあの人のキレどころよくわかんねえんだけどさ、まあ…手は出された事ないから安心してよ」
「…うん」
手を出された日にはたぶんあたしはこの家から泣いて逃げるけど。
手ぇ出さないとしても、あのドスの利いた声と威嚇するような目だけで充分怖かったよ。
若干トラウマだよ。
「さて!家ん中はこんなもんかな!」
「あ、やっと終わり?」
明るい時間から案内してもらったのに、もう外は真っ暗。
家の中は煌々と電気が点いている。