今日からfamily!?


厨房を出た所で陽くんが振り向いた。


「大丈夫だった?」

「へ?」

「駿河さん」

「あー、大丈夫」


…じゃないけど。

親分には関わらないでおこうって決めたけど。


「俺も未だにあの人のキレどころよくわかんねえんだけどさ、まあ…手は出された事ないから安心してよ」

「…うん」


手を出された日にはたぶんあたしはこの家から泣いて逃げるけど。

手ぇ出さないとしても、あのドスの利いた声と威嚇するような目だけで充分怖かったよ。

若干トラウマだよ。


「さて!家ん中はこんなもんかな!」

「あ、やっと終わり?」


明るい時間から案内してもらったのに、もう外は真っ暗。

家の中は煌々と電気が点いている。


< 61 / 210 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop