桃染蝶
一夜はわざと自分の拳を心を
傷つけているような気がした。

刹那主義な貴方の生き様を
私はずっと一番近くで見てきた

極道の世界に身を投じる貴方の
命は幾つあっても足りない。

私なんて、ずっとずっと不安
なんだよ。

一夜に必要とされ、愛されて

一夜と一刻一刻、時を過ごせ

一夜の帰りを、ずっと待ち続け
ることのできる貴女の不安と
私の不安は違う。

『いっちゃんにとって貴女は
 大切な存在なのね』

一夜にとって大切な存在
それは、アナタであって
ワタシじゃない。

「不安で堪らないのなら
 やめれば・・・

 イチヤから放れれば
 いい・・・」
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