桃染蝶
「言っとくけどイチヤには
 ずっと暴力はつきまとう
 
 これから先、ずうっと
 イチヤは生と死を彷徨う

 それが嫌なら別れれば
 
 別れて・・・

 私にイチヤを返して」

『一夜を取り戻せ

 早く・・・』

「返して・・・ 
 
 どういうこと?」

一夜の愛する人の顔色が
苦痛の色に染まってく。

彼女の不安は、的中・・・

「イチヤは、私のもの

 私達、こんなにも
 似てるけど、本当は
 兄弟じゃないの

 ねえ、知ってる?
 
 いとこ同士って
 愛し合えるのよ」
< 119 / 386 >

この作品をシェア

pagetop