桃染蝶
私は、そうだったら良かった
のにと、何度と思い描かいた
ストーリーを彼女に話して
聞かせた。

本当の事のように・・・

全て、でたらめのクセに。

そんな嘘の話を信じる彼女の
瞳から零れ落ちる

TearDrop

私が、彼女に逢ったのは
この日が最初で最後。

「やっぱり、そう

 貴女はいっちゃんの
 恋人・・・」

最後の言葉・・・

冗談だと言ってあげれば
良かったと後悔しても
もう遅い。

私は私の中に棲む、悪魔を
見たの。

残酷なもう一人の私

『いっちゃん』 
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