桃染蝶
落胆する、正二に近寄り
話かける舎弟。

「兄貴

 兄貴に会ってどうしても
 話したい事があると

 その、サオリさんが表に
 ・・・」

「何、サオリが・・・?
 
 アニキ、すみません
 
 野暮用で、ちょっと
 抜けさせてもらいます」

「ああ
 
 すぐ戻って来い」

慌てて表に出て行く、正二が
気になる一夜。

「続きは、ショウが戻って
 来てから話す
 
 しばらく、待ってやろう」

ガラス越し、一夜が見つめると
本部事務所の前、男達に囲まれ
一人の女が立っている。

「サオリさん、困りますよ
 
 幾ら、オヤジさんの女でも
 こんなところまで来られては

 それに今は、危険な時・・」
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