桃染蝶
「はい・・・」

「それにしても、すげえ女
 
 抗争が始まろうとしてる
 本部事務所にまで
 乗り込んできて

 生きるか死ぬかの男に
 子供の生死を問いただす
 なんて・・・

 母は、強しってか?

 華奢な彼女の何処に
 あの気迫が・・・」

一夜の言葉に、正二は答える。

「ああ見えて、サオリは
 女にしとくの勿体ねえ
 くらい男前で・・・

 俺も、たじたじ・・・」

「似合ってんじゃねえの?
 おまえ等

 今のおまえには
 ああいう女が必要だ

 大事にしてやれよ」

「ああ、アニキ
 
 アンタに言われなくても
 そのつもりだ」
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