桃染蝶
「違いますよ

 私達、そんな関係じゃ
 ありません

 ママ
 誤解しないでくださいよ」

「あらっ、そうなの
 
 私ったら、てっきり二人は
 相思相愛の恋人同士だと
 想っていたけど・・・」

相思相愛・・・

お兄ちゃんが、私の事を
好きなのかもしれないと
そう想った時期も、確かに
あった。

だけど、お兄ちゃんは

ずっと、お兄ちゃんで

昔から同じように私に接して
くれて、お兄ちゃんはきっと
妹として私の事が好きなだけ

義妹・・・

花夜子は、グラスのお酒を
一気に飲み干した。

「もう、ママったら
 冗談はよしてくださいよ

 ただの、友達です」
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