桃染蝶
ここは関西の、とある料亭。

関西弁を話す男の大きな声
が店内に響き渡る。

「ほんま、この度はわざわざ
 遠いとこから組長さん直々に
 来てもろて

 ほんま、助かりましたわぁ

 わし一人じゃ
 どないもこないも・・・
 
 ありがとさんですわぁ」

そう、一夜は初馬と数名の組員
達を引き連れて契りを交わした
男の組の争い事に加担する為に
この街を訪れていた。

「これで、わしの組も安泰や
 
 あはははは

 さあ、今宵は、うまいもんに
 うまい酒、どんどん食うて
 帰ってくださいよ

 おかみ、じゃんじゃん
 持ってきてや」

「はいはい、今すぐ」
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