桃染蝶
「私が、幼い頃からずっと
 イチヤだけを愛して生きて
 来た事を貴方は知って
 いるでしょう?

 気が狂いそうな程に愛して
 いるの・・・
 
 私は、どうすればいいの?」

私は、このドアの向こう側で
眠る男の存在など忘れて
貴方に問いかけていた。

「知ってるさ
 
 お前がアニキを好きな事
 俺が一番知っている
 
 俺は、いつもお前の傍で
 お前だけを見続けてきた
 
 そんなにアニキが好きなら
 傍にいればいい
 
 ずっと、愛する人の傍に
 いればいいさ」

愛する人の傍にいてもいいの?

こんな、わたしでも・・・
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