桃染蝶
「不倫相手?

 はあ、笑わせんなよ
 
 おまえをそんな立場に
 追い遣るつもりはない

 おまえは俺にとって
 かけがえのない
 
 一番の女だ」

そう言い切る貴方は最高に
カッコよくて私は嬉しさで
この胸をいっぱいにする。

一粒の涙が零れ落ちた私は
貴方から顔を逸らした。

貴方は、私の頬に手を翳し
自分の方へと向けさせる。

至近距離で見つめあう二人

「カヤコ、おまえ
 
 無理してるんじゃ
 ないのか?」

「バカ、泣かせるような事
 言わないでよ・・・

 私、ほんと
 無理なんてしてないったら

 貴方の愛は、私のものだって
 私は知ってる

 だから、貴方が結婚してる
 とか、子供がいるだとか
 そんな事はもう、どうでも
 いいの・・・」
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