桃染蝶
俺は、行き詰って泣き崩れる
沙織の瞳を見つめる。

「それは、ダメだ」

「どうして?
 
 あんなわからずやの
 お父さんなんてこの際
 どうでもいいよ

 お母さんだけでいい」

「サオリ、家族の事を
 そんな風に言うな

 本当の親が揃ってるんだ
 二人に俺達の結婚を
 認めてもらわなければ
 ・・・  
 
 寂しいこと言うなよ」

「ごめんなさい
 
 ショウには、本当の両親
 がいないのに・・・

 お父さんの冷たい態度
 ごめんね」
< 244 / 386 >

この作品をシェア

pagetop