桃染蝶
「構わないさ、気にするな」

極道を続ける事を赦してさえ
くれれば、俺は沙織との人生
を歩むと決心していた。

生まれてくる子供の為にも
楽しい家庭を作るつもりで
いた。

しかし、沙織の親父さんは
最後の最後まで、この結婚
を赦してはくれなかった。

ここから

全てが崩れていく。

どんなに頑張ってみても
どうしようもない事がこの世
にはある。

疲れ果てた俺は、安らぎを
花夜子に求め、最近では
沙織の待つ自宅へ帰る事が
おざなりになっていた。

帰っても、喧嘩ばかり・・・

ここは、最近借りた
花夜子の新しい部屋。

居心地がいい。
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