桃染蝶
おまえは俺に隠し事を持ち
俺の前から消えた。

『真実の愛を知った時
 全ては終わる

 そう、私は
 全てを終わらせる』

俺は、花夜子にいったい
何をしてやれた?

『なあ、カヤコ
 
 おまえは幸せだったか?』

『・・・・・・』

花夜子の肩を抱き、街を歩く
俺の姿を沙織が見てた事にも
俺は気づかない。

ほんと、バカな男だ・・・

「あの人が、カヤコさん?
 
 いつかの寝言で
 あなた、そう呼んでたわ」

バカな男は、問い詰められて
つい、本音を口にしてしまう。

「もう、限界だ・・・」
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