桃染蝶
ショウ

貴方と腕を組み、二人で
過ごす日々。

貴方はある看板を見つけて言う

「入るぞ」

「えっ?」

そこは、宝石店。

クリアケースには、キラキラと
輝くアクセサリーが敷き詰めら
れていた。

それは、宝石箱のよう・・・

「指輪
 
 適当に見せてやって」

「はい、かしこまりました」

「好きなの、選べ」

「えっ、買ってくれるの?」

何も付いていない私の指を
見つめる、ショウ。

「ああ、いい年の女が
 指輪も持ってないんじゃ
 寂しいだろう?」
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