桃染蝶
「・・・・・・」

飛び起きた俺は、目を
擦りながら問う。

「俺、今、何か言った?」

「イチヤさん、あなたも
 カヤコさんが好きなの?」

不安げに、俺を見つめる瞳。

「何、言ってる
 
 カヤは、妹だって
 言っただろう
 
 昔の夢、見てた」

「昔の夢?」

「ああ、ショウが
 兄弟になった日の夢」

「えっ?
 
 イチヤさんとショウは
 本当の兄弟じゃないの?」

「ああ
 全く血が繋がってない訳じゃ
 ないけど、本当の兄弟じゃ
 ない
 
 だから、俺とカヤは兄妹で
 カヤとショウは違う
 
 二人は愛し合える仲に
 なれる」
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