桃染蝶
貴方ならば、本当に私達の事
を救ってくれるような気がした

私の病までも・・・

真夜中、ある家のドアの前に
一夜と共に立つ私。

そう、ここは、一夜の住まいで
初めて訪れた場所。

ドアの向こう・・・

『いっちゃん
 イノウさんから電話』

『カヤさん、ですよね?
 いっちゃんの妹さん
 いっちゃんに似てるぅ』

『イチヤ、誰から?』

一夜の手が、ドアノブに触れる

「イチヤ待って
 
 私、やっぱり・・・」

私の肩を強く抱く、一夜。

「大丈夫だ

 おまえが心配するような事は
 もう何も起こらない

 だから、安心しろ」
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