桃染蝶
イチヤ・・・

貴方の声が、聞こえる。

「カヤ
 一度しか言わない

 おまえは・・・
 
 俺のかわいい妹であって
 妹じゃなかった

 おまえが気持ち悪りぃなら
 俺だって同罪」

うそ・・・?

「イチヤ?」

「妹に惚れるだなんて
 俺の人生、一番の失態

 誰にも言うなよ」

そう言って、私から距離を取り
一夜は、にっこり少年の頃の
ように微笑んだ。

大好きな、笑顔

忘れない・・・

「イチヤ、貴方も私を?」

一夜は、コクンと頷いた。
< 358 / 386 >

この作品をシェア

pagetop