桃染蝶
『一夜・・・

 あなた以外の人

 わたし、嫌い

 イチヤ・・・

 貴方さえ在れば

 私は、他に何もいらない』

二人だけの世界・・・

貴方も私の事を想っていて
くれた。

私達の愛に未来が無い事を
知っていたから、愛を告げよう
とする私の事を拒み、私に背を
向け冷たく突き放し、そして
私から距離をとった一夜。

「もう、ずいぶんと過去の話だ
 
 墓まで持ってくつもりだった
 のに、何言ってんだか
 
 忘れてくれ」

「忘れない、忘れないよ

 忘れられない

 イチヤ、ごめんね
 貴方の私への想いを
 何も知らずに

 私は自分勝手に・・・

 イチヤ

 私のこと
 愛してくれてありがとう」
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