桃染蝶
「ただ、お義父さんは
 ガッカリしただろうな

 婿養子になり、跡を継ぐ事を
 拒む父親に代わり跡とりにと
 熱望した、その息子は今では
 極道社会に身を置く始末

 やはり、私との結婚を反対
 すべきだったと思っておられ
 るはずだ」

父の腕を強く掴む、母。

「あなた、そんなことはないわ
 
 お父さんにとって、イチヤは
 目に入れても痛くないほど
 かわいくてたまらない初孫

 生まれた時、あんなに
 喜んでいたじゃない

 最近の父は、甘やかせ過ぎた
 と自分を責めてた」

ぼそっと呟く、兄貴の声・・・

「バカな人間・・・」

アンタは何も分かっちゃいねぇ
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