桃染蝶
テーブルにつく、花夜子。

「おう、カヤコ?」

「なんだぁ
 また来たの?」

席に着き、ふて腐れながら
お酒を作る花夜子は、本当
かわいい。

「その言い草は無いだろう
 
 かわいい妹に会う為に
 俺が今までどれだけの
 金を・・・」

花夜子は唇に、人指し指を
立てる。

「しっ

 わかったから
 大きな声出さないで

 ママに知れたら大変
 
 身内に油売ってないで
 金に成る客のお相手
 しなさいって、後で
 怒られちゃうじゃない」

「金に成る客?
 それ、俺の事じゃん」

「何、言ってんの」
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