桃染蝶
「ほらっ、金なら
 腐るほど持ってる」

正二は、ポケットから
札束を取り出す。

正二の手の上に手を重ね
お金を隠した花夜子は辺り
を見渡す。

カウンターのママと
盛り上がっているお客様達。

「早く、しまって
 
 ねえ、このお金 
 いったいどうしたの?」

「ああ、これ?
 
 これは、祖父さんの金を
 至るところに投資して
 事業拡大」

「投資って、やってる事は
 金貸しでしょうが?」

「企業から一庶民まで
 困った人に、お金を貸して
 何が悪い

 人の為になる
 いい仕事じゃん」
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