藤井先輩と私。
―――藤井side
俺の家は、母さんと親父、妹の4人暮らし。
妹はまだ3歳で幼かったから、俺がいつも面倒を見てた。
母さんは、いつもテレビに映る親父の顔を見てニコニコして、掃除したり、俺達の相手をしたり、良い母親だった。
俺の親父は、建築家で、最初にデザインした家が何かの有名な賞を取ったらしく、テレビやら依頼やらで引っ張りだこ。
小さいころから、親父は家にあまりいなかった。
家にいるほうが珍しかったくらいだよ。
「ねぇ、ママ…パパは?」
「ん?パパ?…パパはあそこよ」
にっこり笑って答える母さんは、テレビのほうを指差していた。
「悠太のパパはすごい人なのよ。とっても」
そう答える母さんはとても幸せそうで、親父がいない寂しさとか言ってはいけないと、子供ながらに思ったものだ。
ガチャ
「ただいま」
「あら、あなた?」
ドアが開き、親父がキャリーバックを持って現れた。
「パパ!」
「…着替えを取りに来ただけだ。すぐ仕事にもどる」
走り寄った俺を無視して、親父は2階の自室に入る。
「…パパ…」
落ち込んだ俺に、母さんは近づくと、そっと頭をなでて
「パパ、お仕事で疲れてるのよ。大丈夫、悠太のこと忘れてなんかないわよ」
と少し悲しそうな目で笑った。
俺の家は、母さんと親父、妹の4人暮らし。
妹はまだ3歳で幼かったから、俺がいつも面倒を見てた。
母さんは、いつもテレビに映る親父の顔を見てニコニコして、掃除したり、俺達の相手をしたり、良い母親だった。
俺の親父は、建築家で、最初にデザインした家が何かの有名な賞を取ったらしく、テレビやら依頼やらで引っ張りだこ。
小さいころから、親父は家にあまりいなかった。
家にいるほうが珍しかったくらいだよ。
「ねぇ、ママ…パパは?」
「ん?パパ?…パパはあそこよ」
にっこり笑って答える母さんは、テレビのほうを指差していた。
「悠太のパパはすごい人なのよ。とっても」
そう答える母さんはとても幸せそうで、親父がいない寂しさとか言ってはいけないと、子供ながらに思ったものだ。
ガチャ
「ただいま」
「あら、あなた?」
ドアが開き、親父がキャリーバックを持って現れた。
「パパ!」
「…着替えを取りに来ただけだ。すぐ仕事にもどる」
走り寄った俺を無視して、親父は2階の自室に入る。
「…パパ…」
落ち込んだ俺に、母さんは近づくと、そっと頭をなでて
「パパ、お仕事で疲れてるのよ。大丈夫、悠太のこと忘れてなんかないわよ」
と少し悲しそうな目で笑った。