藤井先輩と私。
しばらくの間、無言の担任。

教室中の視線が、担任に集まる。

嬉々とした表情で、担任を見つめるみんな。


「…その様子じゃ、留学生の件は知ってるようだな」


担任は半ばあきれた声でそうつぶやくと、「ジュディ」と留学生の名前を呼んだ。



ガララララッとドアが開く。


「ハーイ!日本人共!オハヨサンね!」



日本語どこで覚えたんだろう…。


そんなことを思っていると、周りから「カワイイ!」「超美人じゃね?」とか「足長い!」という声が聞こえてきた。

クラスの男子の大半が目がハートになってる。



教室に入ってきた留学生。
黒板で自ら日本語で名前を書いた。


≪松田 ジュディ≫


名前からゴージャス。


見た目もゴージャス!

足はすらっと長く伸びて、痩せているけれど出るところは出ている。

襟もとはだいたんに開いていて、でもいやらしくはない。

髪は綺麗な白に近い金髪で、昔見ていたアメリカのホームドラマの登場人物を思わせた。


「私の名前、マツダジュディ言いますのん。日本人共覚える、いい?」


ホントにどこで日本語覚えたのだろう。


 

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