藤井先輩と私。
「ジュディ、お前の席は橋宮の隣だ。橋宮立て」

私の隣!?

私の隣には、気付かないうちに新しい席が用意されていた。

私は先生の言う通りに立つ。

「ほれ、あそこだ。座れ」

「ハーイ!あの日本人のとこね!」


スキップで私の方へ駆け寄るジュディ。


「これからよろしくね!私橋宮陽依。ヒヨリってよんで?」

私は、そう言って右手を差し出すと、


「おぉ!!なんて可愛いサイズね!ヒヨリ名前もベリーナイスよ!」
と言って握手を返してくれた。


えぇえぇ、どうせ私はちっちゃいですよ。

ジュディは、すこしかがんで私の頭をなでる。

近くに来ると分かるけど、ジュディはすごく身長が高い。



そして、HR終了を告げるチャイムがなり、委員長が号令をとなえて、いったん教室は休み時間になった。

するとすぐに、ジュディの席はクラスメイトに囲まれ質問攻めスタート。


「ジュディはどんなハーフなの?」


「アメリカ人と日本人よ」


「なんで登校日に留学してきたの?」

あ、それ私も聞きたかった。

誰かがそう質問してくれた。


「はやく日本人共に会いたくて!私日本人とても大好きよ。だから早く留学したね」


ジュディはカバンからおもむろにDVDを取り出した。

忍者か何かのDVDかな。
日本人が好き言ってたし、日本の文化と言ったら忍者とか侍とかだもんね。

気になって隣の席覗き込むと、クラスメイトは固まっていた。



「ん?」


パッケージには≪お笑い№1決定戦≫とか≪勝ち抜きお笑いバトル≫とかのタイトルが並んでいた。



「私ソンケーしてる!日本人共のお笑いセンスは超グレート」

「へっ…へぇ」

若干、数人の男子が引いていた。

予想と違っていたのだろう。


「こんな面白いboyfriendがいたらいいのに…」


綺麗な顔が少しだけ翳る。

「大丈夫だよ。絶対現れるよ」

私はとっさにそう言って励ました。


「ヒヨリほんまでっか?…誰か紹介してくれるの!?まぁうれしい!ジュディハッピーね」



………え?



  

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