藤井先輩と私。
携帯を開いて、時間を確認しながら小走りに駅まで向かう。



16:07


7分も遅刻だぁ。

先輩ごめんなさい!



やっと駅前についたけど、先輩どこだろう。

きょろきょろと、先輩の姿をさがす。


私の背が小さいからかな。

人ごみに押されて、あんまり前が見えない。


お祭ってすごい。


せっかくお母さんに着つけてもらったのに、このままじゃくずれちゃうよ。


先輩どこだろう。


思い切って呼んでみようかな、名前。



「ふっ…藤井先輩っ」



だめだ。

私、声小さい。


それに、まわりの人たちの声も大きくて、私の声はかき消されてしまう。


「ふじいせんぱいっ」


もう一回呼んでみた。



そうだ!
携帯で連絡とれば…って、先輩のアドレス知らないや。


「このままじゃ会えないよ」


お母さんに可愛くしてもらったのに。


楽しみだったのに。

いっぱい、いっぱい先輩と計画練ったのに。






























グイッ!



















  


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