藤井先輩と私。
初恋と藤井先輩。
「陽依か?」
「う~ん…」
「陽依やろ?」
「う~ん……」
ん?
この声は…。
視線を数学の教科書から上にあげると、
「なんややっぱり、陽依や」
「ふ……藤井先輩?」
目の前に藤井先輩がいらっしゃいます。
ここは学校だったっけ?
いや…図書館だ。
でもなんでここに?
次々とあたまにクエスチョンマークが浮かび上がる。
「そんな混乱せんと、俺かて図書館くるで?」
私は口を押さえる。
しまった!また私思ったことを全部口にだして…。
「でも図書館って…」
「似合わへんよな?俺どっちかって言うとアウトドアっぽいしな」
「いや、似合わないとかそういうんじゃ…」
慌てて否定するけれど先輩は「ええねん」と笑っていた。