藤井先輩と私。
問題って…。
悩み事解決するどころか増やしてるじゃん。
とりあえず家に入ろう。
私は、自分の部屋に入ると、鞄をベットに投げて、部屋着に着替えて勉強机の椅子にへなへなと座り込んだ。
「梶瀬君がしようとしたことと…藤井先輩とのことの違い…か…」
それって、やっぱり“キス”のことだよね…。
頬杖をついて考える。
だんだん頬が熱を帯びてきた。
“キス”
梶瀬君がしようとしたときは、私すごく困った。
思いっきり…胸を押して距離を広げようとしたし…。
藤井先輩とのときは、あれはどうしてあぁなっちゃったのかわかんないけど、私…自分から目を閉じた。
それで……。
ああぁぁぁ…だめだ。
考えるだけで、ゆでダコ状態。
思い出すのでさえ恥ずかしいよ。
そう言えば、梶瀬君。
呼び捨ての事も言ってた。
“やきもち”って。
やきもちって、好きな人が、別の人に好意を寄せているのを知った時に、その人を腹立たしく思うことだよね。
『俺…正直に言うと、藤井が橋宮の名前を『陽依』って呼んでたことすごく腹が立ったよ』
『その子と藤井が一緒にいると胸がぎゅってなるんだ』
やきもちは、好きな人のために抱く感情。
やきもちは、好きな人のことで起こる気持ち。
やきもちは……。