藤井先輩と私。
「先輩もその梶瀬みたくならないように気をつけてくださいねって言ってるんだけど私」
「ぬぉ!!」
大袈裟に驚く藤井先輩。
やっと私が言っている意味が分かったみたい。
「俺はそんな切ない思いしたくない…」
「そう思うなら、その涙と鼻水しまって!気持ち悪い」
「ひっどいなぁ」
そう言ってゴシゴシとシャツの袖で先輩は顔を拭いた。
「なんで、お前は応援してくれるんや?」
校門につくころに、先輩がポツリと言った。
「私応援なんてしてないわ」
「じゃあ、なんでアドバイス的なことしてくれんねん」
ふんッと鼻をならして、言ってやった。