藤井先輩と私。
別れ際、ユカはやっと私の方を振り向いて






「今回は梶瀬、冷静だったし、陽依を傷つけるようなことしなかったから私はあえて何も言わなかった」


ユカは、両手を腰にあてる。


「それに、ちゃんと断れなかった陽依も悪い!」


「だって…」


梶瀬くん真剣だったし…。

答えはまだ出さなくていいって言ったし。





「好きじゃないのに、期待持たせるより、すっぱり断った方が優しい時だってあんのよ」



好きじゃないのに、期待させて結局最後に断って傷つけるより、今断った方が傷も浅いから、お互いに苦しまずにすむの。とユカは付け加えた。



「そっか…私断るね!」


「うん」


「今日の夜、電話してすっぱり断る!ユカ様ありがとう」


私はそう言ってユカに抱きつくと、ユカもめいいっぱい私を抱きしめた。


女の友情ほど美しいものはない!



家に帰ったら梶瀬くんに電話だ!


頑張るからね!私。





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