藤井先輩と私。
「おはよう!陽依!」
テンション高めのユカの声が頭上から降ってきた。
「ゆっユカっ!」
私は、すぐさまユカを見上げて、でも梶瀬くんのことの罪悪感からユカから目をそらしてしまった。
「その分じゃ…失敗したみたいね」
ユカ様にはなんでもお見通しのようです。
私は、昨日の夜の電話の内容を全部話した。
「私がんばったんだよ!でもね…」
「はいはい。電話しただけでもアンタには大きな進歩よ」
「えっ」
「男の子に自分から電話するなんて、今までの陽依からは考えられなかったでしょ」
「うん…」
ユカ様お優しいお方だ!
しからず褒める。
良いお母さんになれるよ。