藤井先輩と私。
「………」
「………」
なぜ…無言なのでしょうか?
もうすぐ教室に着くっていうのに、楠木さんはなにも話しかけてこない。
なんでだろう。
私のクラスまであと数歩のところで、楠木さんはピタリと止まった。
「くっ楠木さん?」
「………」
楠木さんは黙ったまま。
どうしたんだろう。
気分でも悪くなったのかな。
「私たちお友達ですわよね?」
楠木さんがポツリと言う。
「うん!友達だよ」
私がそう言うと、楠木さんは満面の笑みを浮かべてこちらを見た。
「それでは、友との間に嘘偽りはあってはなりませんわよね?」
「うん。そうだね」
「では…一つお聞きしていいかしら?」
楠木さんは改まった口調で私に言った。