Truth
「俺ん家に負けず劣らずなボロアパートぶりですこと。」
「お前稼いでんだから、もうちょっと良い所に引越せば?」
「気が向いたらなっ」
2人はギシギシと鳴る階段をのぼった。
「201号室。ここが先生の家か」
外見の割には高い音のチャイムを鳴らす。
「留守か?」
信二が落ち込みズルズルと崩れ落ちそうになった時、塗装が剥げ、錆びた部分がむきだしの扉が開いた。
「誰だ?あぁ、お前達か。汚い所だが入りなさい。」
「お、おじゃまします…」
2人は窮屈でお世辞でも綺麗とはいえない四畳半の居間に案内された。
1Lkのアパートは見た目こそ汚いが、築30年と信二のアパートよりは新しかった。