Truth
「先生!ちょっと待っ「東京都ぉ~…」
慌てて殴り書きした文字を解読し、2人はそれを頼りに北澤家に辿りついた。
明朝体で書かれた表札を見あげる。
「すげえデカい家。」
「…なぁ春人。北澤って、もしかして金持ちの令嬢だったりするのか?」
「さぁ?」
春人は鼻で笑いながら答えた。
西洋を思わせる洋風な建物に相応しい立派な門構え。
白く汚れ一つないインターホンを信二が奮える指先で押した。
《はい》
「あのオ…僕、敬子さんと同じ小学校だった下北といいます。」
「同じく、春人です。小林春人。実はお伺いしたい事がありまして参りました。」
信二に続いて春人が名乗ると、さきほどより1トーン低い声で女性は答えた。
《…どうぞお入り下さいませ》
門が自動的に開かれると2人は玄関へと続く長い道を歩き始める。
「…昔と変わらねぇな。」
春人がボソッと言った言葉は、興奮状態の信二の耳には届かなかった。