Truth


しばらく歩くと、門と同じくらい大きな扉の前についた。

「玄関扉までデカイのかよ、この家は!なぁ、春人?」

「…だな。」

信二が春人が見つめる目線の先を追うと、さきほどインターホン越しに会話した人と思われる使用人が丁寧に扉を開けて佇んでいた。

「どうぞお入り下さいませ。中で奥様がお待ちでございます。」

深々と一礼すると、使用人はダイニングルームへと2人を案内した。

長い廊下を歩いた先にダイニングルームはある。

玄関と大差ないほどの大きい扉を使用人が2人がかりで開けた。

そこには赤い絨毯にシャンデリアや高そうな置物がいくつも陳列してあり、信二はテレビの世界でしか見た事のなかった世界に目を奪われた。


「どうぞ、お座りになって。」

北澤敬子の母親とみられる女性は、にこやかに信二に言った。

豪華な部屋に負けない気品溢れる女性だった。

春人の事を一瞥もしないのは単なる気のせいだろうか。

「お二人とも敬子さんの事を聞きたいのでしょう?」

紅い唇から、オルゴールのような心地好い声が耳に届く。

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