Truth
「チョコレート欲しいって言ってたじゃん。」
「ははは…」
あまり記憶にないが、一応頷いてみせる。
「だから受けとって?」
純花が信二に一歩近寄った。
「でも義理だろ?」
義理なら受けとっても許されるだろうか。
許されない…よな。
何たって、このあと 彼女を殺すのだから。
「義理じゃ…義理じゃない。さっき彼氏とも別れたの。ずっと好きでしたっ!」
頭を下げ袋を突き出した彼女に、物思いにふけっていた信二は驚いた。
「…ゴメン」
信二が断ると、今井は目に涙を浮かべた。このまま何も知らずにやるか、それとも知らせるべきか…。
俺だったら?
俺なら知りたい。
「なぁ…」
信二は逃げださないように今井の腕を掴みながら、今までの事を伝えた。