Truth
「…春人は俺に17年前と同じ過ちを犯させ、あの日の罪を償わせたかったのか?」
ようやく出た声は、年老いた老人のようにかすれていた。
「 違う。
信二が純花を突き飛ばすのは想定外だった。だが、そのおかげで思いだしてもらえたようだから、無駄じゃなかったな。」
「な…」
「いやぁ大変だったよ。今日の復讐の為に見張っていた俺の人生は。おかしいと思わなかったのか?小中高大、そして会社まで一緒だなんて。まぁアホな お前だから気づかなかったのかもな。ちなみにネットに事件の事を流したのも俺だよ。」
春人は やすやすと全てを白状した。
信二は今だに信じられないという面持ちで春人を見つめていた。
「お、俺達友達だろ?いや、俺は親友だと思っていたのに…。今までのは全部嘘だったのかよ春人。」
「…っ!何が親友だよっ全く馬鹿だよなぁ敬子もっ。こんな奴が好きだっただなんてよ。ふぅ、これで俺の役目も終わりだ。このままお前が警察に出頭して、17年前の償いをしてもらいたいってのが本音だけど、それじゃあ何年か後には刑務所を出る事になるからな。だからよ…」
「だから?」