Truth


「ふぁぁっ…今日は休みだぁ。」

あくびをしながら、信二は築40年は疾うに経っているボロアパートの寂れた階段をモソモソと降りた。

「本日も郵便物はな……あった。」


『下北 信二様』

黒い封筒に赤い文字。いかにも その手紙は怪しく、また不吉な匂いがした。

「なんだよコレ…」

信二は手紙をわしづかみにすると、階段を駆け上がり勢いよく家の中に入った。


「きたざわ けいこ…って誰だ?」


恐る恐る封を切る。そして信二は我が目を疑った。


【下北 信二様


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