Truth
【下北 信二様
突然の手紙で驚かせた事をお許し下さい。
私の名は北澤敬子と申します。
実は貴方に頼みたい事があり、こうして手紙を書いているのです。
私は、17年前のバレンタインの日に死にました。
確かに、あの日私が神社にいたのは事実です。
でも真相は違う。
私は一人じゃなかった。
事故死なんかじゃない。
誰かに押されたんです。ですが私には、それが誰なのか分からなかった。
今もその人は世にのさばっているはず。
どうか お願いです。私の変わりに罪人に天罰を。
私には もう出来ないのから。
期限は次の満月の夜中の12時丁度。
神社の鳥居の下お会いしましょう。
恩返しをさせて下さい。
しかしもし、貴方が逃げだしたり見つける事ができなかったらその時は…】
これで手紙は終わっていた。
続きに何と書いてあったのか。彼女は何を伝えたかったのだろう。
信二の頭に様々な場面がかけめぐった。
「俺…殺されたりしないよな。」
クシャリと手紙を丸めポケットに突っ込むと信二は携帯を片手に家を飛びだした。