RedZone
「え!?いや勘弁してホントに、うわちょ、」
「キャーーッ!BL展開キターーー!」
「…死ね変態!」
「アッーーー!」
はるかの脚がコンマレベルの速さで方向チェンジをして陸ではなくアキラに跳んだ。
わたしの倍くらいすごい音がしたけど、アキラはこころなしか嬉しそうな顔をしているから平気だろう。
「激しいよ、はるかぁ…ハァ…」
「キモいゲロい鳥肌たつ。いいから曲」
はるかが反応するより早く鋭いツッコミを入れたのはドラムの涼。
相変わらず、毒舌三段活用は健在だ。
そうだったと改め、やっと本題に入る。
「そうそう、気になってたんだけど、きみ新しく入ったの?」
見覚えのないどこか居心地悪そうに私たちを見ていたかわいらしい感じの男の子と、いつもはないキーボード。
「あ、ハイ。キーボードの今野正志です。」
「そっかそっか。わたしは岡崎あやめ。レッドの作詞をしています。よろしくね」
「はいっ、あやめさんですね。おれ皆さんに迷惑をかけないよう頑張りますので、よろしくお願いします!」
「うん、その意気その意気!わたしも頑張っていい詞を書くよ!」
そう言ってにっこり笑えば、マサシくんも笑ってうなずいてくれた。
何この素直な子。かわいすぎるんですけど!
RedZoneでは貴重な癒し系だ。
しかしみんな癖があるタイプだから、この純粋そうな子やっていけるか心配になってきた。