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私の隣に座った先輩は茶髪で少し長めの髪をうまくセットしていて、普通にかっこいい。



「私ナオと申します。お客様のお名前は?」


「っ‥丗那です。」


「丗那ちゃんね。飲み物は何にしますか?」


そう言ってメニュー表を見せてくれた。


「えっと‥じゃあオレンジを‥。」


「かしこまりました。」



そう言ってナオさんはグラスに氷を入れて、ビンに入ったオレンジジュースを注いでいく。




「はい、どうぞ。」


「ありがとうございます。」


「いいえ。」


ニコッと笑った顔にドキッとした。



「丗那ちゃんは何年生ですか?」


「えっと1年です‥。」


先輩に敬語使われるのって違和感あるなぁ‥。


隣の和華をチラッと見るとデレデレで‥。



私は自分の顔が引きつるのがわかった。



「丗那ちゃん彼氏いますか?」


「いっ、いないです!」


「そう。」


そう言って優しく微笑むナオさん。



「えっと‥ナオさん‥。」


「はい?」


先輩が私の顔を覗き込む。
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