nINe
「和華も思ってんでしょ?」


「…。」



変な空気が私たちを取り巻いた。



それからみんな何も言わなくて…。



「丗那、私は決着つけるよ。」



そう言って紗代は出て行った。



「「…。」」



私と和華はしばらく動けなかった。



「和華‥何かごめんね。」


「何で丗那が謝るの?紗代は紗代だから、丗那は自分のペースでやればいい。」


「‥和華‥。」


「帰ろう。」


「‥ん。」



私と和華は教室を後にした。





「紗代はいつも私たちに自分のことを話してくれないよね。」


和華が遠くを見つめながら言った。



「‥うん。」


「中学のときもそう。」


「っ‥!」


「晃汰と付き合ってたこと私知ってる。」


「!!!!」


「本当、何も言ってくんないんだから。」



和華はフッと笑った。



「和華‥。」


「丗那も美奈も。」


「え‥?」


「丗那は先輩のこと。美奈は多分…。」


「何?」

< 140 / 394 >

この作品をシェア

pagetop