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嘘…。


信じたくない。



嘘って言ってよ…。



ただのドッキリだって笑ってよ。



晃平はアメリカに行っちゃっても平気なの?



「丗那はどうすんだよ?」


美月が晃平を睨んだ。


「…。」



晃平は何も言わない。



私を見てもくれない…。



すると晃平は立ち上がり、教室を出て行った。



「晃平!」


美月が呼んでも振り向きもせずに‥。




嘘だ。




晃平がアメリカに行っちゃうなんて‥。



これは夢だ。



きっと目が覚めれば…。



すると美奈が私の肩を抱き寄せた。



「丗那…。」



私は泣きそうになった。



目の前がぼやける。


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