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するとみんなそこにいるわけで‥。



「お前ら覗き見とはいい度胸してんじゃん。」



クスッと笑う晃平。でも目は笑ってない。




晃平が近づくと和華と有加はきゃあきゃあ言って走っていく。




晃平はみんなに近づき、春真の首に腕をまわした。



「本当になんもないんだろな?」


「抱きしめたくらいだな。」


「上等じゃん。」


「お前ら別れてたじゃん。」


「春真、お前マジで「キスするよりマシよ。」



美奈が晃平の言葉を遮りサラッと言った。




「美奈、それは勘弁して。」



晃平が大きなため息をついた。



それを見てみんなが爆笑した。




私はそんなみんなを見て、暖かい気持ちになった。





よかった。




その言葉しか浮かばなかった。




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