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すると晃平が離れるのがわかった。



ゆっくり目を開けると、晃平はクスクス笑っていた。



「へ?」


「よし、教室行くか。」


「…。」



え????



何だったの?



晃平は私のブラウスのボタンを閉めていく。



私はポカーンと晃平を見ていた。



晃平は私を見てフッと笑う。



「なぁに!?」


「いや。ほら、行くぞ。」


晃平は屋上の扉を開けた。



「待って!」



私は晃平と屋上を後にした。






教室に入ると、春真が机に頬杖をついてコクコクと首を動かしていた。



「フッ。春真!!」



私は春真の背中を軽く叩いた。



「っ!!!」



ビクッとなる春真。可愛い。



「おはよ。」
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