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私たちはピタッと動きを止めた。



晃平は私に覆い被さったまま。



私たちは目を合わせたまま動かない。



まるで時間が止まったかのように。




耳だけ周りに集中させた。




そして足音はこっちに向かってくる。



嘘///今来たら…。



晃平は私の顔を見て笑う。




そして足音はキッチンの方へ。




ホッ‥。



晃平はソファから少しだけ顔を出し、誰か確認する。



そして冷蔵庫を開ける音がした。




ジュースでも飲みにきたのか。




コップに水を注ぐ音がする。




晃平は私に顔を近づける。



「っ!!!」



そして私にキスをする。



ちょっと――――!!


絶対私で遊んでる!!!



晃平は角度を変えて何度もキスをする。



晃平が私の服に手を入れたその時。



また誰かの足音がする。




私の心臓はもう疲れ始めている。




そして足音はキッチンへ。



「純もジュース?」


「ん。頂戴。」




純と和華か。



晃平は私にキスするのをやめない。
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