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思い浮かぶのは晃平の笑ってる顔。



いつも私にばぁかって言うけど、その言葉にも優しさがある。




晃平は優しいの。



だからこの事件には裏がある。



絶対に暴いてやる。




晃平をとりもど…。



「私から引きはがそうとしている?」



私がボソッと言うと、みんなはハッとしたように私を見た。



「それだ。」


「でもファンが喧嘩まで?」


「いや、裏に誰かいるんだろう。」



みんなが必死に考える。



誰が喧嘩を‥。



「喧嘩の強い男…。」


ボソッと純が呟く。



「でもただ警察に拉致られたんじゃ、ファンは得をしない。」



「「「「‥。」」」」



確かにそうだ。



私から離れたとしても、晃平は警察の手の中。



ファンに手が届くわけじゃない。
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