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「晃平!?」


心臓が飛び上がった。



加速する呼吸。



手が震える。




「ごめんな。」


「晃平は悪くないよ!」



つい声が大きくなってしまう、



「心配かけてるのは間違いないからな。」


「っ…晃平、今どこ!?」


「家に帰った。」


「今から行く!「ダメだ。」


「えっ…。」


何で…晃平は会いたくないの?



「ポリに見張られてる。俺は飽く迄も仮釈放だから。学園にも行けないしな。」


「そんなっ…。」


「真犯人が捕まるまでは会えない。」


「っ…晃平っ…。」


「丗那。一度しか言わないからよく聞けよ。」


「っ‥うん。」


それから晃平はしばらく黙った。



シンとした空気が流れる。




そして晃平は息を吸った。




「丗那。愛してる。」


「っ…!!!!」



私は涙が溢れた。




会いたいよ…晃平…。
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