nINe
翌日


私は何の手がかりも掴めないまま帰宅した。


「ただいまぁ…。」



ん?



玄関に男ものの革靴が2つ。



誰か来てるのかな。



するとお母さんがスリッパをパタパタさせて私の目の前に立った。



「丗那、警察の方が来てるの。そのままこっち来なさい。」


「っ‥!」



警察っ‥?



私はドキドキしながらリビングに入った。




すると警察の人が立ち上がり、軽く会釈する。



私はつられるように会釈した。



私はお姉ちゃんとお母さんに挟まれるように、警察の人と向き合うように座った。



「私はM警察署の今野です。」


「北山です。」



そう言って警察手帳を見せられた。



悪いことしてなくてもドキドキしてしまう。




「あなたが客野晃平くんとお付き合いしてる、鮫島丗那さんですね?」



「‥はい。」



私は警察の人を真っ直ぐ見て言った。

< 373 / 394 >

この作品をシェア

pagetop